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  • Writer's pictureYuko Igarashi (五十嵐夕子)

災害時の悲報を狙った振り込め詐欺!②

災害時の悲報を狙った振り込め詐欺!①の続きです。 9月7日、札幌で一人暮らしをしていた叔父が亡くなったという連絡が実家に入りました。 母の話によると、叔父の住んでいる近くには息子さんと娘さんがいらっしゃったようで地震の後に息子さんが安否を確認しに行ったところ無事だったことが分かったそうです。 そこで避難所に行くの?と息子さんは聞いたらしいのですが、 叔父は「ロウソクがたくさんあるから大丈夫だよ」と答えたそうです。 そして9月7日の早朝に叔父の自宅から出火し、住宅はほぼ全焼。 一階和室から心肺停止状態の男性が見つかり病院で死亡が確認されたとの事。 まだ余震が続く中、ロウソクが原因の火災が発生したらしい。 母も伯母も口をそろえて 「避難所に行っていればこんなことにはならなかったのに…」と言っていました。 そして焼死体は損傷が激しいらしく、検死にもDNA鑑定が必要なほど。 検査結果は早くて2~3週間、遅くて1か月かかるとの話でした。 それから数日たった9月11日、 実家の固定電話に叔父の息子を名乗った男性が電話をかけてきました。 「おばさん、Nだけど…」 「今、車で横浜に来ているんだけど叔母さん出てこれる?」 「色々と話したいことがあるんだ…」 母は横浜はよくわからないからと答えると、 「明日伺っても良いですか?」 「お昼ごろに行きますので、食事は私が買っていきます」 と言ったそうです。 母はどこかおかしいな?という気もしたらしいのですが、 きっと状況が状況だから大変なんだろうな…と思ったそうです。 父も疑わずに翌日に来るNさんの到着を心待ちにしていたそうです。 母も父もおもてなしをしてあげようと準備をしました。 叔父の若い頃の写真をアルバムから見つけ、 渡そうと用意をしたり、 お土産をもっていってもらおうと買い物に出かけたり。 そこで会津で生まれ育った両親の 「おもてなし」の精神が彼らを救ったのです。 わざわざ北海道から出てきたんだから、

お昼位食べさせてあげないと…と思ったのです。 そして到着予定時刻の20分前、 父は玄関先に椅子を出して、札幌ナンバーの車を待っていました。 母は「大変だからお昼を買ってこなくていいよ」と伝える為に 携帯電話からNさんに電話をしました。 母がお昼を買って来ないでいいからねと伝えると Nさんは複雑そうに答えたそうです。 「叔母さん、北海道にいるんだけどどうしたの?」と。

その直後です! 固定電話に電話がかかってきました。 「Nだけど…」と言いながら話を続けますが母の耳にはもう聞こえてきません。 携帯電話で話している「Nさん」と固定電話の「Nさん」 偽物はどちらか、一目瞭然ですね。 母は脈拍が高まり緊張していたそうです。 そして 「Nちゃん!?あなたはNちゃんじゃない!」と言うと 固定電話のNさんを名乗っていた人物は電話を切ったそうです。 震災後の悲報を狙った振り込め詐欺。 もしも母が横浜に行っていたら… もしも母が電話をかけていなかったら… どんな結果になったのか想像が出来ません。 両親は娘2人しか居ないために今まで「オレオレ詐欺」のような事は無かったそうです。 今回は何十年もあった事のない「Nさん」に会ってもきっと顔は分からないでしょう。 北海道地震の後にニュースにもなった叔父の死。 札幌で亡くなった叔父の戸籍を調べ、親族情報を調べ、狙った犯行だと思います。 怖いですね。 震災後のロウソクの使用は十分に気を付けないといけませんね。 そして… 巧みな話術で悲報を狙ったこういった犯罪が起こらないようにと祈るばかりです。


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