

意識的な妊娠と子育て いのちの記憶に還る旅
いのちのはじまりに意識を向けるということ
意識的に
いのちと向き合うとき、
わたしたちは
「わたし自身」を
思い出します。
それは、
生まれてくるいのちとともに、
この世界を
やさしく照らす
祈りのようなもの。
もしあなたの中に、
何かが
静かに響いたなら。
それが、
もうすでに始まっている
ということかもしれません。
うまれる前からはじまっている意識
わたしたちは、
この世界に生まれてくるもっともっと前から
静かないのちの対話をはじめています。
その声なき声にそっと耳をすませるとき、
わたしたちは『意識』というものの本質に
少しずつ触れてゆくことができます。
それは、目に見えるものだけで世界を測らずに
感じて、受けとって、つながっていくこと。
おなかの赤ちゃんも、
お母さんも、お父さんも、
そして迎えるすべての人たちが
ひとつの響きの中で呼び合いながら、
出会いのときを待ち望んでいるような──
そんな静けさに、
私たちは包まれています。
その静けさに身をゆだねていくうちに、
私たちは、
ふと思い出していくのです。
たとえば──
自分がおなかの中にいた頃の、
やわらかな感覚。
もっと前、
母が祖母のおなかの中にいたときに、
もうすでに
私の存在の一部が
この世界とつながっていたという
不思議な記憶。
そうして私たちは気づきはじめます。
わたしたちは、
ただ親子としてつながっているのではなく、
時間を超えて重なり合いながら、
大切にあたためられてきた
存在だったのだと。
そのつながりに
心をひらくこと。
それが、
意識的な妊娠・出産・子育ての
あたたかな出発点になります。
この旅は、
「学ぶ」ことではありません。
すでに私たちの中にある感覚に、
還っていくこと。
心や魂がそこにあることを
信じて、感じて、そっと関わっていくこと。
それが、
意識的に生きるということの、
いちばんやさしい形かもしれません。
胎内に宿った
小さないのちの声に
耳を傾けながら、
私たちが本来もっている
あたたかさ、 思いやり、
そして
「生まれてきてよかった」と
感じられる世界のことを、
一緒に思い出していきたいと思います。