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マザー・ドーター・ポートレイト

胎内記憶について

人は、生まれる前の記憶を覚えていることがあります。


母の胎内で過ごした時間や、生まれる直前の出来事、さらには「生まれてくる前にどこにいたのか」と語る子どもたち――

それが「胎内記憶」です。


日本をはじめ世界各国で、医師や心理学者、研究者たちがこの現象を調査し、親子の絆や人間の意識のあり方に深く関わる可能性があることがわかってきました。


胎内記憶は、科学と心の領域をつなぐ新しい視点を私たちにもたらし、「命のはじまり」を見つめ直すきっかけとなっています。

胎内記憶とは

胎内記憶とは、幼い子どもが語る「母の胎内にいたときの記憶」や「生まれる前の出来事に関する記憶」を指します。


多くの場合、2〜4歳頃の子どもが自然な会話の中で語り、成長とともに忘れてしまうことが多いとされています。

この現象は、1980年代以降、世界各国で医師・心理学者・助産師らによって記録・研究が行われてきました。

 

その語りには、胎内での感覚や母親の感情、生まれる瞬間の光景、さらには「生まれる前にいた場所」や「親を選んだ理由」など、科学的に説明の難しい内容も含まれます。

胎内記憶は、単なる不思議な話としてだけでなく、胎児期の環境や母子の心理的な結びつき、そして人間の意識や記憶の可能性を探る手がかりとして注目されています。

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胎内記憶で語られている内容

胎内記憶という言葉が広く知られるようになった背景には、産婦人科医 池川 明 博士 の研究があります。
博士は30年以上にわたり約4,000件ものお産に立ち会い、その経験の中で「子どもたちが語る記憶」に耳を傾け始めました。1999年から本格的に研究を進め、学会発表や論文、講演、書籍、映画を通して、胎内記憶を社会に伝えてきました。​

池川博士が出会った子どもたちの言葉には、おなかの中での体験や誕生の瞬間の記憶が驚くほど具体的に語られています。それらは単なる不思議な話にとどまらず、親子の絆や教育、そして家庭や社会の平和にまで深くつながるテーマを含んでいます。

 

ここでは、池川博士が研究を通じて見えてきた胎内記憶の内容と、その意味を、博士自身の言葉でご紹介します。

胎内記憶からこころの教育へ

もともと私は、精神世界やスピリチュアルな話題に関心がある方ではありませんでした。信じていたのは、むしろ民話や昔話に登場するような、自然界への畏敬や素朴な祈りの心でした。

そんな私が「魂」や「意識」といったテーマに関心を持ち始めたのは、子どもたちの教育に強い関心を抱いていたからです。産婦人科の現場では「母子の安全」や「出産そのものの管理」が第一の目標となり、子どもがその後どのように育っていくかまで意識を向ける機会は多くありません。しかし、小さな助産院で長年にわたり親子と関わるうちに、「生まれてきた子どもは、その後どのように心を育んでいくのか」という問いが、私の中で大きくなっていきました。

そんな折に出会ったのが「胎内記憶」でした。子どもたちが語る不思議な体験は、私にとって衝撃でした。たとえば、小学一年生の男の子が作文にこう書いていました。

「お母さんのおなかにいたら、白い服を着た人に足をつかまれて袋(子宮)から出された」

通常の帝王切開では赤ちゃんは頭から出てきますが、逆子の場合は足から引き出されます。その事実を、母親すら知らなかったのに、どうして子どもが覚えているのでしょうか。


さらに彼は「鼻にゴムを通されて苦しかった」とも書きました。これは羊水を吸引するための処置であり、医療者にとっては赤ちゃんを助ける行為のはずです。しかし、子どもの記憶には「苦しかった」という体験として刻まれていました。

こうした事例を通して私は気づきました。赤ちゃんはおなかの中にいる時から意識を持ち、周囲の声や気持ちを受け止めているのだ――と。

この気づきは、やがて「こころの教育」への関心とつながっていきます。もし赤ちゃんが胎内からすでに意識を持ち、親の愛情や安心感を感じ取っているとすれば、家庭の雰囲気こそが最初の教育になるのではないか。そこに温かさと安心があれば、子どもはのびやかに育ち、やがて平和をつくる存在へと成長していくのではないか。

胎内記憶が教えてくれることは、単に「赤ちゃんは覚えている」という事実にとどまりません。それは、親と子がどのようにつながり、家庭がどのように愛を育むか、そして社会全体がどうすれば平和を築けるかという問いへと広がっていきます。​

このような視点から、私は胎内記憶を研究し、発表を続けてきました。

胎内記憶のあゆみ

1981年

1988年

1990年代前半

1999年

2001年

2003年

2005年

2010年代前半

2014年

2015年

2015年

2016年

2017年

2018年

2018年

2018年

2019年

2020年

2020年

2021年

2021年

2022年

2022年

2022年

2023年

カナダの精神科医 トーマス・バーニー博士が『The Secret Life of the Unborn Child(邦題:胎児は見ている)』を出版。胎児期の意識や感覚に関する研究が注目され始める。

アメリカの心理学者 デイヴィッド・チェンバレン博士が『Babies Remember Birth(邦題:誕生を記憶する子どもたち』を出版。退行催眠から胎児が意識を持っているとする説を解き、出産や胎内記憶に関する事例を多数紹介。

欧米各国で胎児心理学・周産期心理学に関する国際会議が相次いで開催される。日本でも助産師や研究者が胎内記憶の事例収集を開始。

池川明博士(産婦人科)が胎内記憶を語る子どもたちの調査・研究を本格的に開始。

9月 池川明博士が全国保険医団体連合医療研究集会で「胎内記憶」を発表後、朝日新聞で紹介され広く注目を集める。

出生前・周産期心理学協会誌  Journal of Prenatal and Perinatal Psychology and Health(JOPPPAH)冬号にて、池川明博士が胎内記憶の調査に関する論文 Investigation by Questionnaire Regarding Fetal/Infant Memory in the Womb and/or at Birth を発表。

胎内記憶をテーマとしたドキュメンタリー映画や講演会が全国で開催される。海外においても、胎内記憶はスピリチュアル分野と科学分野の双方から注目され始める。

荻久保則男監督によるドキュメンタリー映画『かみさまとのやくそく』が公開。胎内記憶の存在が広く一般に知られるきっかけとなる。

池川明博士がエストニア、フィンランドで講演を行う。

出生前・周産期心理学協会誌 Journal of Prenatal and Perinatal Psychology and Health(JOPPPAH)秋号にて、大門正幸博士が胎内記憶の調査に関する論文 Children's Birth, Womb, Prelife, and Past-Life Memories: Results of an Internet-Based Survey を発表。

11月 池川明博士の著書2冊が海外向けに出版される。→ 書籍リンクはこちら

中国・深圳にて胎内記憶に関する講演会が開催され、池川明博士が参加。

中国・北京で胎教に関する国際イベントが開催され、池川明博士と土橋優子氏が参加。

出生前・周産期心理学協会誌 Journal of Prenatal and Perinatal Psychology and Health(JOPPPAH)春号にて、五十嵐夕子氏が Film Review – The Promise: Prenatal Memories of Children を発表。

12月 中部大学にて開催された人体科学会第28回大会で、「世界を繋ぐ胎内記憶グローバルプロジェクト」が発表された。五十嵐夕子氏が中心となり、海響氏、土橋優子氏、広沢そう氏と共に登壇。

  • 五十嵐夕子「世界を繋ぐ胎内記憶グローバルプロジェクト」

  • 土橋優子「胎内記憶とベビー手話をベースにした乳幼児教育」

  • 海響「イメージによる胎児との対話」

  • 広沢そう「魂の刻印を解き放つ胎内記憶:アートセラピーの新しい可能性」

企画・司会進行は五十嵐夕子氏。発表後には、池川明博士(胎内記憶研究)、大門正幸博士(意識研究/前世記憶など)を迎えてパネルディスカッションが行われた。

11月 コロラド州デンバーで開催されたAPPPAH国際会議にて、日本から池川明博士と五十嵐夕子を中心とするチームが登壇。中国代表とともに『世界を繋ぐ胎内記憶グローバルプロジェクト』を発表し、国際的な胎内記憶研究の広がりを紹介した。会期4日間にわたり、ワークショップ、分科会、晩餐会に参加し、『かみさまとのやくそく』の上映会は2度行われた。

  • 池川明「胎内記憶の歴史と人間の構造」

  • 土橋優子「 胎内記憶:言葉を介さないコミュニケーションと幼児教育」

  • 町田明生晴「アドラー心理学、胎内記憶に学ぶコミュニケーション」

  • 海響「イメージによる胎児との対話」

  • 上田サトシ先生「胎内記憶を呼び起こす瞑想とスピリチュアルミッドワイフ」

  • 横山卓先生「東洋医学と周産期におけるネッシンケア」

  • 長南華香先生「胎内記憶から見るママへの愛のお土産」

  • 英藹雯先生:「出生前教育ー親子関係を改善する調和のとれた基盤」

  • 馬良坤博士& 鄭瑞敏博士:「出生前教育ー調和のとれた家族の基盤とマインドフルネスを取り入れた出産」

  • 五十嵐夕子「 世界を繋ぐ胎内記憶グローバルプロジェクト」    

▶︎ 発表者一覧やスケジュールは [ PDF詳細] へ 

9月 ルーマニア国際会議(オンライン)
ブカレストで開催された周産期の健康に関する国際会議 ― 心理学的・社会的・医療的アプローチ2020で、池川明博士と五十嵐夕子は「胎内記憶は未来のエピジェネティクス」を発表。胎内記憶をテーマに、国際的な周産期研究の場で日本からの視点を発表した。

11月 Power to Create 国際サミット(オンライン)
Birthing The New Humanity が11月20日〜29日に開催したイベントにて、11月21日、ブルース・リプトン博士の発表直後に池川明博士が登壇。翌22日には、池川博士と村松大輔先生、長南華香先生をゲストに迎え、胎内記憶をテーマにしたディスカッションが行われ、翻訳・通訳・コーディネート担当:五十嵐夕子。

2月 ギリシャのPrenatal Sciences Research Institute SOPHIAから共著本『Change: Birthing & Parenting at Times of Crisis』が出版され、池川博士が第8章『What is Left Behind? What is in the Horizon? Quantum Mechanical Interpretation of Prenatal Memory』を寄稿し、五十嵐夕子が編集翻訳。

11月|APPPAH国際会議(オンライン)
テーマ:「Transforming Society through Prenatal Memory—社会変革を起こしてきた人たちの語る胎内記憶」(敬称略)▶︎ 発表者一覧やスケジュールは [ 
PDF詳細] へ 

  • 七田厚 全脳教育「七田式」の世界的展開/未来を担う子どもの「脳と心の教育」

  • 飛谷ユミ子 「量子の世界を理解する—子どもの静寂のささやきに傾聴した30年」

  • 佐野浩一 「つながるいのち—教育と経営に活かされた胎内記憶」

  • 村松大輔 胎内記憶への量子力学的アプローチ「赤ちゃんが親を選ぶしくみ」

  • 長南華香 親子関係の改善と“大人の胎内記憶”「ソウルフルファミリー」

企画・翻訳・通訳・司会進行は五十嵐夕子氏。コメンテーターとして、池川明博士(胎内記憶研究)、大門正幸博士(意識研究/前世記憶など)が参加した。

3月 APPPAH Birth Psychology Month 映画祭にて、熊猫堂「かみさまとのやくそく」特別編集版『Prenatal Memory〜A Message from the Babies〜』を3月7日にライブ上映。3月9日には、トマス・バーニー博士の紹介で、池川明博士と荻久保則夫監督がパネルディスカッションを行い、五十嵐夕子が翻訳・通訳とコーディネートを担当。

4月 『WOMB TO THRIVE: The Missing Keys to Heal Yourself, Your Family and the Planet』(著:Julie Gerland/Birthing The New Humanity、世界同時発売・ベストセラー)にて、池川明博士が第4章 “Prenatal Memory: Global Peace Starts with a Peaceful Family Environment”(胎内記憶を伝えて達成したい目標:家庭の平和から始める世界平和)を寄稿。編集・翻訳・コーディネート:五十嵐夕子。

4月『JOPPPAH(The Journal of Prenatal & Perinatal Psychology and Health)』春号にて、池川明博士・土橋氏・五十嵐夕子が論文 “Prenatal Memory: How to Accept Love from Our Children”(胎内記憶:子どもからの愛を受け取る方法)を発表。編集・翻訳・コーディネート:五十嵐夕子。

11月 トマス・バーニー博士の出生前・周産期心理学認定育児アドバイザー養成講座(オンライン)が開講。Eラーニングと実習を組み合わせた本格プログラムで、修了者にはバーニー博士の公式認定資格が授与される。池川明博士による解説講義、五十嵐夕子による実践応用講義、町田明生晴先生によるバーニー博士新刊の解説が含まれている。企画・翻訳・通訳・コーディネート・受講者サポート担当:五十嵐夕子。

2023年

11月 APPPAH国際会議(オンライン)
テーマ「Co-Education: Prenatal Memory Nurtures Family Bonds—共育: 家族の絆を育む胎内記憶
」(敬称略)

  • 池川明 ― 胎内記憶を応用した育児で変わる社会

  • 渥美陽子 ― 日本の病院での胎内記憶の伝え方

  • 伊藤久美子 ― 胎内退行療法:ワンダーベビーとの対話

  • 飛谷ユミ子 ― 母と子の非言語コミュニケーションとクォンタムバース

  • 村松大輔 ― 精神性と志を育む量子力学を取り入れた教育

  • 江崎英子 ― 社会変革を起こすコミュニケーション(トーマス・ゴードンの親業)

  • 五十嵐夕子 ― 日本からの発表まとめ及び企画・翻訳・通訳・司会進行。

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さらに本会議では、日本から2名の研究者がSpirit of APPPAH Awardを受賞した。

池川明博士 ― Spirit of APPPAH Award for Outstanding Advocacy 受賞

押岡大覚博士 ― Spirit of APPPAH Award for Outstanding Research 受賞

2024年

3月 Prenatal Alliance によるPRENATAL WELLNESS 国際サミット
お母さんと赤ちゃんの身体的・感情的・精神的・社会的な健康の促進をテーマに、「世界妊娠デー」(毎年3月22日)の国連制定を願って開催された最初の国際オンラインサミット。日本からも代表者が参加し、胎内記憶や母子のウェルビーイングに関する発表を行った。

  • 池川明博士 ― 胎内記憶とエモーショナル・アタッチメント:未来への影響

  • 岸本玲子先生 ― 今こそ蘇れ!産婆の精神:母親の健康のためのグローバルな取り組み

  • 五十嵐夕子 ― 胎内記憶による意識的な子育て

企画・翻訳・通訳は五十嵐夕子が行い、世界の研究者や専門家との交流をサポートした。

▶︎ 発表者一覧やスケジュールは [ PDF詳細] へ 

2024年

3月 APPPAH 誕生心理学月間

「誕生心理学月間」を祝う3月、APPPAHでは「新しい出産モデル」をテーマに、イギリス・オーストラリア・日本の代表が週替わりで発表。日本からは、2023年11月APPPAH国際会議でのグループ発表 『共育:家族の絆を育む胎内記憶』 を五十嵐夕子が翻訳・通訳・コーディネートを担当し、当日は動画配信と質疑応答が行われ、この動画が一週間一般公開された。
この発表は現在、改訂版 「出生前・周産期エデュケーター認定コース」モジュール4「意識と細胞記憶」 に収録されている。

2025年

3月 Prenatal AllianceによるPRENATAL WELLNESS国際サミット

母親と赤ちゃんの身体的・感情的・精神的・社会的健康の促進をテーマに、無料の3日間オンラインイベントとして開催された。サミットは妊娠が人類の未来に与える影響を学ぶ機会として、若者や将来の親、母子保健の専門家、一般の方々に向けて開かれた。日本からは五十嵐夕子が翻訳・通訳・国際コーディネートを担当し、世界の研究者や専門家との交流をサポートしながらパネルに参加した。

  • 池川明博士「胎内記憶と胎内期からのコミュニケーション」

  • 岸本玲子・花森淑子・柴田星子(リプロダクティブヘルスチーム合同発表)「家族へのエンパワーメント」

  • 上村雄彦教授「科学と非科学の統合:平和で幸福な世界のために」

  • 五十嵐夕子「日本の胎内記憶:絵本の紹介」

企画・翻訳・通訳は五十嵐夕子が行い、世界の研究者や専門家との交流をサポートした。

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2021年

6月 アメリカの『人生の始まりから人間の可能性を育み対人関係を最適化する12の原則』が発表され、ウェブサイトに公開される。編集・翻訳・コーディネート:五十嵐夕子。

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